定義
アウトソール
革製またはゴム製。革製のソールは時間をかけてなめされるため、耐久性に大変優れています。地面と直接接触する部分です。
アッパー
革製のパーツを組み合わせて縫い合わせた、靴の上部全体。
インソール
靴の内側に敷くソールで、その上に足を乗せます。インソールは、アッパーとミッドソールをつなぐ役割を果たします。革製のものは、最適な通気性を得られます。レザーボードや厚紙のものは、経済的ですが足に熱がこもる傾向があります。
ウェルト
ソールの上に、靴全体の縁まわりに沿って縫い付けられた、柔軟性のある帯状の革。インソールのリブとミッドソールあるいはアウトソールとを連結する役割を果たしています。
銀面
人間の皮膚のように、動物の皮も重なり合う2つの層、銀面層と肉面層から成っています。銀面は上層部で、きめが細かく、通気性があり、水をあまり通しません。
フルグレイン:付随的な処置を施さない、そのままの銀面。
銀剥き仕上げ:バフィング、アイロン掛けなどを施して、標準的な銀面をグレードアップして、人工的な銀面を作ること。
グレインカーフ
型押しのアイロン掛けを施した革。模様は使用するアイロンによって変わります。
グロスカーフ
亜麻仁油または松脂で仕上げたフルグレインカーフ。ワックス加工を施すことで、空気を通さなくなり、跡が付きやすくなります。
コードバン
本物のシェルコードバンは、馬の臀部の皮下層から抽出された革です。 コードバンは、革を油中にゆっくり浸した状態で6〜9ヶ月間(クロムなめしの場合は48時間)、植物タンニン処理を受けます。 油の量が多いため、コードバンは耐水性に優れています。 ベルベットカーフのように、コードバンは革の内側を使っています。 光沢のあるこの革はやや硬く、ひだがありますが、非常に耐久性が高いです。 毎年、コードバンの量は限られており、排他性が保証されています。 この革はアメリカに拠点を置く一つのタンナー、Horweenのものです。 コードバンの靴は、ユニークな特性、見た目、および希少性のため世界中で有名です。 「コードバン」という表記は、この種の革の特徴である暗いバーガンディーになる傾向のある色を指すためにも使用されています。
先芯
先芯は、アッパーの前の部分の革の下に敷く補強芯。爪先を保護し、靴の爪先部の形状を保ちます。あまり知られていない部分ですが、足の固定と靴の外観を保つ上で重要なパーツです。ヒールには月型芯が同様の役割を果たします。
舌革
舌革は靴ひもの下の足を保護し、隠します。舌革を付けることで、水や埃が入るのを防ぎます。
シャンク
インソールとソールまたはミッドソールの間の土踏まずの部分に埋め込む、金属、革、ブナ材でできた固い補強材。シャンクは、甲とヒールの間の土踏まず部分に必要な強度を持たせます。
シューキーパー
伸縮調整可能で、ワックス加工仕上げの木製の型が理想的です。靴の中に入れて元の形を保ちます。靴の型に適したシューキーパーを選ぶことが大切です。
スキン
革の原料として、大昔から使用されてきました。最もよく使われるのは、牛の皮ですが、ヤギや羊のほか、珍しい動物のスキンも使います。
セメント製法
釣り込みの後、アッパーの底面にやすりをかけ、アウトソールに糊付けできるようにします。この製法は時間と手間がかからず低コストですが、修理はできません。
タンニン
植物由来の物質で皮を腐敗しないように加工します。
月型芯
月型芯は、ヒール周りのアッパーと裏地の間に入れる補強芯。ヒールの形状に合わせた月型芯は、靴の中で足が動くのを防ぎ、歩行の軸を保てるようにします。また、靴の変形を防ぎます。月型芯を良い状態に保つため、靴を履くときは靴べらを使うことをお薦めします。靴の前部の補強芯は、「先芯」と呼びます。
土踏まず(アーチ)
アーチはヒールの高さで決まります。靴職人の優れた技によって生まれる正しいアーチは、靴の履き心地には欠かせない要素です。
トップリフト
革製のヒールに釘打ちあるいは接着剤で貼り付けた、硬質ゴム製あるいは金属製の部品。ヒールの損傷を防ぎます。
中物
皮、スポンジ、コルク、ゴムなどでできた詰め物。グッドイヤーウェルト製法、ノルヴェイジャンウェルト製法の特徴。インソールとミッドソールの間のリブの厚みによって生じる空洞を埋めるために使われます。足への断熱効果もあります。
なめし
クロム塩または植物タンニンを使って、皮から革へと変化させ、腐食しないようにする工程。
肉面
革の銀面(毛がある側)の裏側の、肉と接する面。
ヌバック
フルグレインの皮をきめ細かくバフィングし、ややベロアのような状態にしたもの。「nu(ありのままの)」状態から「new(新しい)」「buck(バックスキン:業界では使用しない用語)」を組み合わせた造語。
パイピング
アッパーとライニングの間をくるむ、革製または布製の細いテープ。裁断面を隠し、美しく仕上げます。
パティーヌ
上質の革は経年により変色します。色付きのクリームを使って、好みに合わせてこの色合いを人工的に作ることができます。
フィッティング
足の快適性と靴の耐久性を持たせるために大切な、靴を履いたときの足回りのゆとり。
ベロアカーフ
革の表側ではなく、裏側の肉面をバフィングしたカーフ。バフィングによって、ベロアのような手触りとなり、ヌバックよりも光沢があり、柔らかく、洗練された仕上がりになります。
ボックスカーフ
クロムなめしを施したフルグレインレザー。若い動物の皮を用いることで、きめ細やかで引き締まった銀面になります。やや固めの革で、上品さと光沢があり、高級靴に適しています。
ミッドソール
ウェルテッド製法の靴のインソールとアウトソールの間に挟まれます。ゴムまたは革製。ウェルトに縫い付けます。
ライニング
靴の内側全面に裏張りすること。Parabootは耐久性があり、年月と共に味わいを増すフルグレインの羊皮のみを使っています。子牛の皮は手触りは柔らかですが、早く傷みが表れます。Parabootのライニングは固定していません。アッパーとライニングの間に接着剤を使わないため、通気が良く、足が蒸れません。
ラスト
靴の製作に使用する足の形に成形した型。木製またはプラスチック製で、モデルごと、大きさごとに用意します。ラストは靴の全体的な外見を決めますが、特に爪先をスクエアにするか、どの程度ラウンドやポインテッドにするか、デザイナーの構想によって決定します。 美的な仕上がりのほかに、ラストは足の幅、厚さ、土踏まずなどの形態に関する制約を守らなくてはなりません。履き心地の良し悪しの違いはここにあります。
リブ
インソールの下にある突起で、リブによってインソールをウェルトに縫い付けることができます。インソールの裏側に斜めに切り込みを入れ、ウェルトに縫い付けられる部分を作る、伝統的なチャネル技法と、インソールの裏側にテープ状の布を貼り付けてリブを作り、ウェルトに縫い付けるアセンブル技法とがあります。